非肥満、過体重および肥満を有する非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)患者を対象とした非侵襲的な検査法であるFibroScanとMRエラストグラフィ(MRE)、MRIの肝内プロトン密度脂肪分画(MRI-PDFF)の診断能について検討した論文をScientific Reportsにアクセプトいただきました。
Nogami A, Yoneda M, Iwaki M, Kobayashi T, Kessoku T, Honda Y, Ogawa Y, Imajo K, Higurashi T, Hosono K, Kirikoshi H, Saito S, Nakajima A.
Diagnostic comparison of vibration-controlled transient elastography and MRI techniques in overweight and obese patients with NAFLD.
Sci Rep. 2022 Dec 19;12(1):21925. doi: 10.1038/s41598-022-25843-6. PMID: 36535977; PMCID: PMC9763419.
欧米と比較し、アジア人では非肥満や欧米人ほどの体格であってもNAFLDを有する患者さんが多いことが知られています。そこで、非肥満(BMI 25kg/m2未満)、1度肥満(過体重、BMI 25-30kg/m2)および2度肥満(BMI 30kg/m2以上)とBMI別に分けた場合、超音波エラストグラフィの代表機器FibroScan(EchoSens, Paris, France)の肝硬度測定・脂肪化測定(Controlled Attenuation Parameter, CAP)やMRE/MRI-PDFFは同等の診断能を有するか、肝生検による組織学的評価を基準として検討いたしました。
本検討では、非肥満・過体重・肥満いずれの層の患者でもFibroScanにより測定される肝硬度とMREにより測定される肝硬度は同等に高い診断能を有するものの、脂肪化の評価においては、FibroScanのCAPよりMRI-PDFFの方が高い診断能を有する結果となりました。
普段臨床で診察することの多い体格においても、FibroScanやMRE/MRI-PDFFの有用性を示すことができました。皆様の臨床上少しでもお役に立てたら幸いです。
中島淳先生、米田正人先生をはじめ、ご指導いただいた共著者の皆様に心より感謝申し上げます。
“野上麻子医師の論文がscientific reportsに掲載” への1件のフィードバック
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