一般社団法人横浜国際肝胆膵消化器病学機構Yokohama International Hepato-Biliary-Pancreatic-Gastroenterological Association

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新しい肥満定義がMASLD患者の分類と予後予測に与える影響を検討した国際共同研究がHepatology誌に掲載

 米田正人教授が参画した、代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)における新しい肥満定義の臨床的意義を検討した国際共同研究が、肝臓病学領域の国際学術誌 Hepatology に掲載されました。


Implications of new obesity definitions in the classification and outcomes of patients with MASLD

Jie Cai, Terry Cheuk-Fung Yip, Huapeng Lin, Grace Lai-Hung Wong, Andrea On-Yan Luk, Emmanuel Tsochatzis, Salvatore Petta, Elisabetta Bugianesi, Masato Yoneda, et al.; VCTE-Prognosis Study Group

Hepatology. 2026 Jul 27. Online ahead of print.
DOI: 10.1097/HEP.0000000000001827
PMID: 42507833

 肥満はMASLDの発症および進展に深く関与する重要な因子である。従来、肥満の評価にはbody mass index(BMI)が広く用いられてきたが、近年ではBMIに加え、腹囲やウエスト身長比などの身体計測値、さらに肥満関連合併症を組み合わせた新たな肥満定義が提唱されている。しかし、これらの新しい定義がMASLD患者における肝関連イベントのリスク評価に有用であるかは明らかではなかった。
 本研究では、国際多施設共同研究「VCTE-Prognosis Study」に登録されたMASLD患者12,583例を対象とし、従来のBMIによる肥満定義、European Association for the Study of Obesity(EASO)の定義、Lancet Commissionの定義を比較した。各定義における肥満該当率を評価するとともに、肝関連イベントとの関連を検討した。
 その結果、BMIでは肥満と判定されなかった患者のうち、EASO基準では20.4%、Lancet Commission基準では34.1%が新たに肥満に分類された。
一方、新たな基準によって肥満と分類された患者において、非肥満患者と比較した肝関連イベントリスクの有意な上昇は認められなかった。したがって、新しい肥満定義は肥満と分類される患者集団を拡大するものの、従来のBMIによる評価を上回る肝関連イベント予測能は示さなかった。
 さらに、ウエスト身長比と肝関連イベントとの関連を検討した結果、ウエスト身長比が約0.6に近づくと、肝関連イベントのリスクが有意に上昇した。
以上の結果から、新しい肥満定義をMASLD患者に適用する際には、肥満該当者の拡大のみならず、将来の肝関連イベントを適切に反映する身体計測指標およびその閾値を検討する必要性が示された。

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