一般社団法人横浜国際肝胆膵消化器病学機構Yokohama International Hepato-Biliary-Pancreatic-Gastroenterological Association

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2026年1月28日

栗田裕介医師が参画したIgG4関連硬化性胆管炎の研究がJournal of Hepato-Biliary-Pancreatic Sciencesに掲載

日本膵臓学会膵炎調査研究委員会自己免疫性膵炎分科会による多施設共同研究成果
「Multicenter Validation Study of the Clinical Diagnostic Criteria for IgG4-Related Sclerosing Cholangitis 2020 in Japan」が、『Journal of Hepato-Biliary-Pancreatic Sciences 』に掲載されました。
本研究には、当教室の栗田裕介医師と窪田賢輔医師が共同研究者として参加しました

Multicenter Validation Study of the Clinical Diagnostic Criteria for IgG4-Related Sclerosing Cholangitis 2020 in Japan.

Naitoh I, Nakazawa T, Kubota K, Nishino T, Nakamura A, Inoue D, Sano T, Kikuta K, Kurita Y, Chiba K, Ikeura T, Matsubayashi H, Ishikawa T, Kuwatani M, Kamisawa T, Yasuda I, Kawano M, Masamune A; Japan Pancreatitis Study Group.

J Hepatobiliary Pancreat Sci . 2026 Jan 7. doi: 10.1002/jhbp.70056.

◆ 研究概要
本研究は、2020年に改訂されたIgG4関連硬化性胆管炎の臨床診断基準(IgG4-SC2020)の診断能を、日本全国多施設データを用いて検証した大規模バリデーション研究です。
IgG4-SC患者 1,034例 と、膵癌・原発性硬化性胆管炎(PSC)・胆管癌などの鑑別疾患(ミミッカー)447例を対象に、従来のIgG4-SC2012基準との比較検討が行われました。

◆ 主な成果
● 感度の大幅な向上
 IgG4-SC2020はIgG4-SC2012と比較して、感度が有意に向上
 99.0% vs 89.1%(p < 0.001)
● 悪性疾患に対する特異度は100%を維持
 膵癌および胆管癌に対する特異度は、IgG4-SC2020・2012ともに 100%
● PSCに対しても高い特異度を維持
 IgG4-SC2020:97.5%
 IgG4-SC2012:100%
 両者に有意差なし
● 診断不能例の大幅な減少
 IgG4-SC2012では診断不能であった 113例 が、IgG4-SC2020により新たに診断可能となった
● 診断能向上の要因
 - MRCP所見の導入:97例
 - 組織学的に腫瘍細胞が存在しないことの評価:15例
 - IgG4関連腎病変の追加:1例

本研究は、2020年に改訂されたIgG4関連硬化性胆管炎の臨床診断基準(IgG4-SC2020)の診断能を、日本全国多施設データを用いて検証した大規模バリデーション研究です。
IgG4-SC患者1,034例および鑑別疾患447例を対象に、従来のIgG4-SC2012基準との比較を行いました。
IgG4-SC2020では、MRCPが正式な診断項目として追加され、ERCPに依存せず非侵襲的に胆管病変を評価できるようになったことなど診断要素が整理されたことが大きな特徴です。
その結果、IgG4-SC2012では診断不能であった症例の多くが新たに診断可能となり、感度を大きく向上させつつ、膵癌・胆管癌に対する特異度100%を維持するという、実臨床に即した診断基準としての有用性が示されました。

[栗田医師のコメント]
本研究は、日本全国の多施設が連携し、IgG4関連硬化性胆管炎の診断基準の妥当性を実臨床データに基づいて検証した大規模検討です。
新しいIgG4-SC2020基準が、従来では診断に至らなかった症例を適切に拾い上げ、かつ悪性疾患との鑑別精度を維持していることが示された点は、今後の診療の質の向上に直結する重要な成果と考えています。
横浜市立大学として本研究に参画できたことを大変光栄に思うとともに、内藤格先生をはじめとした本研究にご尽力された全国の先生方、関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

2026年1月26日

今城健人医師の原著論文がUltrasonography誌に掲載

新百合ヶ丘総合病院 消化器内科部長 今城健人医師の原著論文が Ultrasonography誌に掲載されました。

Direct comparison of ultrasound-guided attenuation parameter and controlled attenuation parameter for steatosis using MRI-based proton density fat fraction as a reference

Kento Imajo , Hidenori Toyoda , Satoshi Yasuda , Hidekatsu Kuroda , Masato Yoneda , Atsushi Nakajima , Takashi Kumada

Ultrasonography 2026 Jan; 45(1): 9-17.  doi:10.14366/usg.25127. PMID: 41566987. Epub 2025 Sep 29.

【今城健人医師医師のコメント】

 この度、”Ultrasonography”に論文が掲載されました。本論文では、脂肪性肝疾患診断における最新の超音波減衰法であるUGAP(超音波ガイド下減衰パラメータ)と従来のCAPの診断精度を、MRI-PDFFを基準として比較しました。日本の3施設で255名の慢性肝疾患患者を対象に検討した結果、UGAPはCAPよりも高い診断精度を示し、特に軽度から中等度の脂肪肝(S1以上、S2以上)の検出において優れていることが明らかになりました。UGAPは肝脂肪症の非侵襲的評価における有用な新技術として期待されることを明らかにしております。この場をお借りして、研究を指導、サポートしてくださっている皆様へお礼を申し上げます。

2026年1月16日

市民公開講座「C型肝炎講演会」開催のお知らせ

肝疾患診療連携拠点病院としての活動の一環として市民公開講座を開催いたします。
参加費無料、ZoomミーティングによるLive配信で、どなたでもご参加いただけます。

【C型肝炎講演会】

日程:2026年2月20日(金)15:00~16:30
会場:WEB配信(Zoomミーティング)

1.まだ間に合うC型肝炎 ー検査から治療、その後まで
  講師:消化器内科(肝胆膵) 医師 野上麻子

2.知って安心!感染予防の正しい知識
  講師: 看護部 感染管理認定看護師 伊藤 智栄美

3.今日からできる運動
  講師:リハビリテーション部 理学療法士 丸山 有沙

ご参加には参加登録が必要です。チラシのQRコードまたは下記からご登録ください。
ご登録後、自動でZoom情報がご登録のメールアドレス宛に送信されます。

申込 登録はこちら

市民公開講座 リーフレット

多くの方のご参加をお待ちしております。

2026年1月15日

長谷川翔医師の症例報告論文がClinical Endoscopy誌に掲載

長谷川翔医師の症例報告論文が Clinical Endoscopy誌に掲載されました。

Successful treatment of a complete obstruction at the hepaticojejunostomy anastomosis using cholangioscopic biopsy forceps inserted via the endoscopic ultrasound-guided hepaticogastrostomy route

Sho Hasegawa, Kunihiro Hosono, Masato Yoneda

Clinical Endoscopy. 2025 Sep 8. doi: 10.5946/ce.2025.174. Online ahead of print. PMID: 41521513.

【長谷川翔医師のコメント】

 本論文は、胆管空腸吻合術後の胆管空腸吻合部完全狭窄に対し、胆道鏡下の生検鉗子で粘膜を剥いで、狭窄の突破に成功した症例を報告したものです。本症例の診療および論文報告の遂行にあたり、横須賀市総合医療センターの細野邦広先生をはじめ、ご指導・ご協力を賜りました共著の先生方、胆膵グループの皆様、ならびに消化器外科の先生方に深く感謝申し上げます。

2026年1月15日

米田教授がHepatobiliary Surgery and Nutrition 誌「Outstanding Author Award」を受賞

 横浜市立大学大学院医学研究科 肝胆膵消化器病学の 米田正人 主任教授が、国際学術誌 Hepatobiliary Surgery and Nutrition(HBSN、2024年 Journal Impact Factor 7.8)より、Outstanding Author Award を受賞しました。

HBSNは、肝臓・胆道・膵臓領域における外科・内科・トランスレーショナルリサーチを横断的に扱う国際誌で、Gastroenterology & Hepatology 分野および Nutrition & Dietetics 分野のいずれにおいても Q1 ジャーナルに位置付けられています。

 本賞は、同誌に掲載された論文の中から、学術的インパクト、独創性、ならびに臨床・基礎研究への貢献度が特に高い著者に授与されるものです。米田教授のこれまでの研究成果が、肝胆膵領域における新たな知見の創出と国際的な学術交流の発展に大きく寄与した点が高く評価され、今回の受賞に至りました。

ご受賞誠におめでとうございます。

2026年1月7日

第4回 肝臓病教室 開催のご案内

肝疾患診療連携拠点病院としての活動の一環として肝臓病教室を開催いたします。
第4回は2月12日(木曜)13:30からの開催予定です。
参加費無料、事前申込不要で、どなたでもご参加いただけます。
多くの方のご参加をお待ちしております。

【第4回肝臓病教室】
1.MASLD,なぜ怖いのか  
  講師:医師 和田 直大

2.今日から始める食事療法‐体重減少/脂肪肝改善に向けて
  講師: 管理栄養士 杉村 七海

日程:2026年2月12日(木)13時30分~15時
会場:横浜市立大学附属病院内10階第3会議室

第4回肝臓病教室 リーフレット

年間スケジュール
【第1回】2025年6月26日(木)13時30分~15時
   内容:肝臓がんの治療①【RFA/TACE】
【第2回】2025年9月11日(木)13時30分~15時
   内容:肝臓がんの治療②【薬物療法】
【第3回】2025年11月27日(木)13時30分~15時
   内容:肝硬変・肝不全、検査結果の読み方
【第4回】2026年2月12日(木)13時30分~15時
   内容:MASLD,なぜ怖いのか

肝臓病教室 リーフレット

2026年1月6日

宇南山彰医師が日本消化器病学会関東支部第387回例会において「研修医奨励賞」を受賞

 2025年12月13日(土)、日本消化器病学会 関東支部第387回例会が開催され、当教室(横浜市立大学附属病院)で研修された宇南山彰医師が「自己免疫性膵炎の合併が疑われた潰瘍性大腸炎に対しウステキヌマブ再投与が奏効した1例」を発表し、「研修医奨励賞」を受賞しました!

ご受賞、誠におめでとうございます。

2026年1月6日

米田正人教授がYouTubeチェンネル「ReHacQヘルスチャンネル」に出演

米田正人教授がYouTubeチェンネル「ReHacQ-リハック- ヘルスチャンネル」に出演しました。
UCバークレー教授の野村泰紀先生、元TBSアナウンサーの加藤シルビアさんとの対談です。年末年始の健康リスクだけでなく、肝臓に関する最新の知見を、専門医の視点で丁寧に解説しています。

肝臓リスクvs天才物理学者 — 専門医が忠告する肝臓NG行動TOP5!

年末年始にやりがちな生活習慣が実は肝臓に大きな負担をかけている!?
飲酒だけでなく、意外な行動が肝臓リスクになるポイントを分かりやすく解説しています。

肝臓リスク徹底解説 — 知られざる脂肪肝の恐怖

脂肪肝は「自覚症状がないから大丈夫」と思いがちですが、放置すると大きな健康問題に。
専門医と一緒にそのメカニズムと予防のポイントを深掘りしています。

ぜひご覧ください!

2026年1月5日

米田正人教授・中島淳名誉教授が参画したMASLDにおけるVCTEと肝組織学的線維化の予後予測能を直接比較した国際多施設共同研究が Hepatology 誌に掲載

米田正人教授、中島淳名誉教授が参画した、MASLD患者における振動制御トランジェントエラストグラフィ(VCTE)と肝組織学的線維化の予後予測能を直接比較した国際多施設共同研究が、Hepatology 誌に掲載されました。

Head-to-head comparison between vibration-controlled transient elastography and histology in predicting liver-related events due to metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease

Zhang Y, Lee HW, Lin H, Tsochatzis E, Petta S, Bugianesi E, Yoneda M, Zheng MH, Hagström H, Boursier J, Calleja JL, Goh GB, Chan WK, Gallego-Durán R, Sanyal AJ, de Lédinghen V, Newsome PN, Fan JG, Lai M, Fournier-Poizat C, Wong GL, Pennisi G, Armandi A, Nakajima A, Liu WY, Shang Y, de Saint-Loup M, Llop E, Teh KKJ, Lara-Romero C, Asgharpour A, Mahgoub S, Sau-Wai Chan M, Canivet CM, Romero-Gomez M, Kim SU, Wong VW, Castéra L, Yip TC

Hepatology. 2025 Dec 24.
doi: 10.1097/HEP.0000000000001658. Online ahead of print.

[米田正人医師のコメント]
 本研究は、代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)患者において、フィブロスキャン(VCTE)による肝硬度測定(LSM)と、肝生検に基づく組織学的線維化評価が、将来の肝関連イベント(LREs)を正確に予測できるかを直接比較することを目的として実施された、国際多施設共同研究になります。
 本研究では、3,532名のMASLD患者を対象とし、約5年間の追跡期間中に、肝代償不全、肝移植、肝関連死からなる肝関連イベント(LREs)を主要評価項目として解析を行いました。
 その結果、以下の重要な知見が得られました。
・ LSMと肝組織学的線維化は、LREs予測においてほぼ同等の予測能を示した(5年AUROC:LSM 0.870、組織学 0.869)。
・統合AUROC、Brierスコア、判別能改善指数など、複数の予測指標においても両者に有意差は認められなかった。
・ 肝細胞癌(HCC)および肝代償不全を個別に解析した場合や、各種感度解析においても結果は一貫していた。
 これらの結果は、非侵襲的検査であるLSMが、肝生検と同等にMASLD患者の長期予後を層別化できる可能性を明確に示し,臨床試験におけるサロゲートエンドポイントとしても有用であることを支持する重要なエビデンスとなりました。今回、Hepatology 誌に本成果を報告できたことを大変光栄に存じます。

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