一般社団法人横浜国際肝胆膵消化器病学機構Yokohama International Hepato-Biliary-Pancreatic-Gastroenterological Association

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2025年12月25日

栗田裕介医師・八木伸医師ら研究グループが2025年度日本胆道学会プロジェクト研究に採択されました

 このたび、横浜市立大学附属病院 肝胆膵消化器病学教室の 栗田裕介医師、八木伸医師らからなる研究グループ が申請した研究課題「十二指腸乳頭部癌に対する内視鏡的切除後遺残例の予後に関する全国調査」 が、2025年度日本胆道学会プロジェクト研究として採択されました。

本研究が、日本胆道学会のプロジェクト研究という大変栄誉ある枠組みにご採択いただきましたことを、研究グループ一同、心より光栄に存じます。

内視鏡的十二指腸乳頭切除術(endoscopic papillectomy:EP)は、非浸潤性の十二指腸乳頭部腫瘍に対する低侵襲治療として広く行われている一方、EP施行後に偶発的に癌が診断される症例や、病理断端陽性・評価困難例における最適な治療戦略については、十分なエビデンスが確立されていないのが現状です。

本研究では、日本胆道学会指導施設を中心とした全国規模の後ろ向き調査を通じて、内視鏡切除後の癌遺残例の実態、追加治療の選択、ならびに予後を明らかにし、今後の診療方針策定に資するエビデンスの構築を目指します。

本研究の実施にあたり、本研究をご評価いただきました日本胆道学会に深く感謝申し上げますとともに、これまでご指導・ご協力を賜りました病理診断科 藤井誠志教授、ならびに横浜労災病院、NTT東日本関東病院の先生方をはじめ、関係各位に心より御礼申し上げます。

2025年12月24日

小林貴医師・中島淳名誉教授が参画したMASLDの予後因子を解析した国際共同研究が Hepatology 誌に掲載

小林貴医師・中島淳名誉教授が参画した、MASLD患者における線維化進展、肝関連イベントおよび死亡の予測因子を解析した国際多施設共同研究が、肝臓病学分野の最高峰誌の一つである Hepatology 誌にアクセプトされました。

本研究は、世界41か国・約18,000例の肝生検で確定診断されたMASLD患者を対象とした Global MASLD(G-MASLD)研究の成果であり、線維化ステージおよび非侵襲的線維化指標が長期予後と強く関連することを国際的に明らかにしたものです。
非侵襲的検査を用いたリスク層別化の臨床的意義を示す本成果は、今後のMASLD診療および国際的な臨床研究の発展に大きく貢献することが期待されます。

Global NASH/MASH Council (GNC). Predictors of fibrosis, clinical events and mortality in MASLD: Data from the Global-MASLD study.

Younossi ZM, de Avila L, Petta S, Hagström H, Kim SU, Nakajima A, Crespo J, Castera L, Alkhouri N, Zheng MH, Treeprasertsuk S, Ananchuensook P, Shalimar, Tsochatzis E, Trivikrama SK, Balakumaran LK, Fan JG, Roberts SK, Alswat K, Wong VW, Yilmaz Y, Dunn W, Francque S, Cordie A, Yu ML, Ekstedt M, Goh GB, Oliveira CP, Pessoa MG, Chan WK, Fernandez MIC, Duseja A, Arab JP, Papatheodoridis G, Sebastiani G, Villela-Nogueira C, D’Ambrosio R, Lampertico P, Alnaamani K, Holleboom AG, Valsan A, Venu A, El-Kassas M, Pennisi G, Shang Y, Liu WY, Lee HW, Kobayashi T, Kakizaki S, Caussy C, Pearlman B, Iruzubieta P, Nadeem R, Cinque F, Neonaki A, Zoncapé M, Yang RX, Song SJ, Dunn N, Gadi Z, Yeh ML, The KK, Mahadeva S, Fabian LG, Almohsen A, Leite N, Pugliese N, Vessby J, Xie C, Choudhary NS, Friend E, Poca M, Kawaguchi T, Russo FP, Gadano A, Diaz LA, Singal AK, Segrestin B, Gunn N, Mauricio D, Arrese M, Fracanzani A, Lam B, Racila A, Alqahtani SA, Stepanova M

Hepatology. 2025 Nov 13. doi: 10.1097/HEP.0000000000001617. Epub ahead of print. PMID: 41231627.

【小林貴医師のコメント】

本研究は、肝生検により診断されたMASLD患者約18,000例という、これまでにない規模の国際データを用いて、線維化進展および長期予後の規定因子を包括的に解析した研究です。
線維化ステージに加え、FIB-4などの非侵襲的線維化指標が、肝関連イベントや死亡と強く関連することを示した点は、日常診療におけるリスク評価の実践的な裏付けになると考えています。
本研究が、先に報告された非侵襲的検査の診断性能評価に続き、MASLD診療における予後予測の重要性を国際的に示す成果として Hepatology 誌に受理されたことを大変光栄に思います。本研究の遂行にあたり、ご指導いただいた中島淳名誉教授をはじめ、多くの国際共同研究者の先生方に深く感謝申し上げます。

2025年12月22日

活動報告 八木伸医師が沖縄EUSハンズオンセミナーに講師として参加

 2025年12月13日、琉球大学にて開催された「沖縄EUSハンズオンセミナー」において、八木伸医師が講師として参加しました。
 本セミナーでは、EUS観察、EUS-FNA、EUS-HGSの実践的なハンズオンが行われ、沖縄県内から約20名の若手医師が参加しました。

[八木医師のコメント]
 2025年3月まで所属していた国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科で、レジデント時代にお世話になった先輩である東江大樹先生よりお声がけいただき、若輩ながらEUS観察の講師として参加させていただきました。若手医師の皆様の熱意に触れ、私自身にとっても大変刺激的で有意義な時間となりました。今回の経験を、今後の日常診療や後輩医師の指導に活かしていきたいと考えています。

2025年12月19日

栗田裕介医師が「令和7年度 膵臓病研究奨励賞」を受賞

 このたび、横浜市立大学附属病院 肝胆膵消化器病学教室の栗田裕介医師が、令和7年度 公益財団法人 日本膵臓病研究財団「膵臓病研究奨励賞」を受賞しました。
 本賞は、肝胆膵消化器病学が放射線診断科の 宇都宮大輔教授 らと共同で取り組んできた、膵癌の早期診断を目的とした Dual-Energy CT に関する研究成果が高く評価され、今回の受賞に至りました。
 本研究に際し、ご指導・ご協力を賜りました宇都宮大輔教授をはじめとする放射線診断科の先生方、放射線部のスタッフ、ならびに胆膵グループの先生方に深く御礼申し上げます。

ご受賞、誠におめでとうございます。

2025年12月11日

米田正人教授・中島淳名誉教授が参画したMASLD患者における国別eGFRの違いと肝線維化の関連を解明した国際多施設共同研究が MedComm誌に掲載  

米田正人教授・中島淳名誉教授が参画したMASLD患者における国別eGFRの違いと肝線維化との関連を明らかにした国際多施設共同研究が MedComm 誌に掲載されました。

Variations in Estimated Glomerular Filtration Rate Across Countries in Patients With Metabolic Dysfunction-Associated Steatotic Liver Disease and Their Association With Liver Fibrosis: A Multicenter Study

Jing Zhao, Ferenc E. Mózes, Xin-Yu Xu, Dong Ji, Huiqing Liang, … Masato Yoneda, Atsushi Nakajima, Giovanni Targher, Christopher D. Byrne, Jacob George, Michael Pavlides, Ming-Hua Zheng ほか

MedComm. 2025 Nov 24;6(12):e70503. 
DOI: 10.1002/mco2.70503

[米田正人医師のコメント]
 本研究は、世界的に増加する代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)において、腎機能指標である推算糸球体濾過量(eGFR)が国や民族背景によってどのように異なるか、またそれが肝線維化の進展とどのように関連するのかを明らかにすることを目的として実施された、多国間・多施設の共同研究です。アジア・欧州を中心とする34施設から3,308名の肝生検で確定診断されたMASLD患者を登録し、国別のeGFR値および線維化ステージを比較しました。その結果、以下の重要な知見が得られました:
 • 欧州(平均92.2 mL/min/1.73m²)では、アジア(104.7 mL/min/1.73m²)に比べて有意に低いeGFRを示し、線維化重症度も高かった(61.4% vs 32.4%)。
 • アジア集団では、eGFRは肝線維化と逆相関し(OR 0.793, p = 0.002)、腎リスク因子で調整後も同様の関連を認めた。
 • 一方で、欧州集団では同様の関連性は認められなかった。
 これらの結果は、MASLD患者における腎機能の解釈やCKDリスク評価が、国・民族背景によって大きく異なる可能性を示唆しており、国際的な診療指針や臨床研究デザインを考えるうえで非常に重要な知見です。
 本研究は、国際的なビッグデータを基盤として、MASLDと腎障害の関連を国別に詳細に検証した初めての研究の一つであり、今後のMASLD診療における腎リスク評価の最適化に大きく貢献する成果と考えています。今回、MedComm(Wiley)に本成果を報告できたことを光栄に存じます。

2025年12月11日

米田正人教授・中島淳名誉教授・今城健人部長が参画した国際Delphiコンセンサス研究がCGH誌に掲載

米田正人教授、中島淳名誉教授、今城健人部長が参画したMASLDにおける治療効果評価のサロゲートエンドポイントに関する国際Delphiコンセンサスが Clinical Gastroenterology and Hepatology 誌に掲載されました。

Expert Delphi consensus on surrogate endpoints for treatment assessment in metabolic dysfunction-associated steatohepatitis

Arun J Sanyal, Atsushi Nakajima, Elisabetta Bugianesi, Giada Sebastiani, Jörn M Schattenberg , Leon A Adams, Mazen Noureddin, Masato Yoneda, Pierre Bedossa, Zobair M Younossi, Assim A Alfadda, Andreas Geier, Frank Tacke, Giulio Marchesini, Giovanni Targher, Hussain Abdulrahman Al-Omar, Hannes Hagström, Juan G Abraldes, Jerome Boursier, Kento Imajo, Kwabena Opuni, Luis Calzadilla Bertot, Naim Alkhouri, Nobuharu Tamaki, Rohit Loomba, Riku Ota, Raluca Pais, Scott L Friedman, Saumya Jayakumar, Salvatore Petta, Vlad Ratziu, Vincent Wai-Sun Wong
(全23名の国際専門家パネル)

Clin Gastroenterol Hepatol. 2025 Dec 6:S1542-3565(25)01014-6. 
DOI: 10.1016/j.cgh.2025.12.001

[米田正人医師のコメント]
 本研究は、代謝機能障害関連脂肪性肝炎(MASH)における治療効果の評価指標(サロゲートエンドポイント)について、国際的な専門家の間で合意形成を図ることを目的として実施されました。治療薬開発の加速と、臨床での実装を見据え、規制当局・保険償還・日常診療のそれぞれにおいて“何を治療効果の指標として用いるべきか”という課題に対する指針を示すものです。
 本研究では、北米・欧州・アジアの肝疾患専門家23名によるDelphi法を用いて、文献レビューに基づいた2ラウンドの構造化サーベイが行われました。評価の一致度は75%以上を「コンセンサス」、95%以上を「強いコンセンサス」と定義しています。その結果、規制・保険償還の観点では、現在のガイドラインに沿って
 • 1段階以上の線維化改善(MASH悪化なし)
 • MASH の組織学的消失(線維化悪化なし)
 といった組織学的エンドポイントが依然として最も妥当とされました。一方、臨床診療においては非侵襲的検査(NITs)が強く支持され、とくに
 • VCTE(FibroScan)あるいはMREによる肝硬度測定(LSM)の30%以上低下
が「臨床的に意義のある治療反応を示し、長期的な予後改善につながる可能性が高い」とのコンセンサスが得られました。また、日常診療では肝生検をNITsで代替することを支持する合意も示され、今後のガイドラインや診療プロトコルに大きな影響を与える内容となっています。
 今回のDelphiコンセンサスは、MASH治療開発・診療指針づくりの重要な基盤となるものであり、特に日本からは中島名誉教授とともに参画できたことを大変光栄に存じます。今後も、非侵襲的検査を中心とした評価体系の確立に向けて、国際的な議論と研究を継続してまいります。

2025年12月3日

廣畑 愛医師がAPDW in Singaporeにて JGHF Poster of Distinction Awardを受賞

 大森赤十字病院 廣畑 愛 医師が、シンガポールで開催されたAPDW2025(Asian Pacific Digestive Week)でJGHF Poster of Distinction Awardを受賞されました。
 本賞は、若手研究者の優れた研究成果を称えるとともに、今後の学術的発展を奨励する目的で設けられたものです。
当日は、ポスター展示に加え、2分間の口頭プレゼンテーションと3分間の質疑応答が行われ、廣畑医師は高く評価されました。

ご受賞、誠におめでとうございます。

〈APDW 2025概要〉
会期:2025年11月18日~22日
場所:Suntec Singapore Convention & Exhibition Centre(シンガポール)
受賞演題:Optimal Treatment Strategy for Lesions Proximal to the Appendiceal Orifice: A Retrospective Single-Center Study

[廣畑 愛医師のコメント]
 このたび、消化器疾患に関する最新の知見が発表される国際学会であるアジア太平洋消化器病週間(APDW)において、当院における虫垂開口部病変の内視鏡治療戦略について発表し、JGHF Poster of Distinction Award という名誉ある賞をいただくことができました。虫垂開口部病変は大腸の中でも特に高度な技術が求められる領域ですが、当院では既報と比較しても良好な治療成績を得ており、高い内視鏡技術に加え、チームカンファレンスを含めた綿密な術前検討が反映された結果であると考えております。
 今回の発表は、当院で長年にわたり積み上げられてきた治療成績をまとめたものであり、現役の先生方のみならず、OB の先生方が築かれた堅実な内視鏡診療とデータの蓄積が土台となっています。当院としての取り組みが国際的に評価されたことを大変誇りに感じております。
 私にとっては今回が初めての国際学会発表であり、抄録作成から準備・発表に至るまで不安ばかりの中で、千葉先生をはじめ大森赤十字病院の先生方に熱意あるご指導と手厚いサポートを賜り、この場に立つことができました。心より感謝申し上げます。
 また、米田主任教授をはじめ、医局の先生方、千葉先生、大森赤十字病院でご活躍されてきた先生方など、多くの皆さまに日頃よりお力添えいただき、このような受賞に至ることができましたこと、深く御礼申し上げます。今回の受賞を励みに、今後も内視鏡診療の研鑽を重ね、より良い医療を提供できるよう努めてまいります。引き続き、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

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