体験談を紹介します

 近年、女性医師の方が非常に増え、当機構にも多くの医師に所属いただいております。勤務先は産休・育休などに伴う医師の派遣等、できる限りサポートします。そういった事情で、教室に所属することを躊躇されている方がいらっしゃいましたら、是非、一度相談ください。実際に当機構で出産・育児を経験された医師からコメントをいただきました。

   当機構で活躍している女性医師は、165名中、34名です。(2022年4月)

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女性医師の割合

5人に1人が女性医師です

産休・育休のサポートに関して

 私は横浜市大肝胆膵消化器病教室に所属する消化器内科医で、茅ヶ崎市立病院消化器内科に勤務しています。現在2人の子育てをしながら、常勤医として毎日奮闘しています。
 第一子出産時は半年間の産休育休を取得しましたが、その間教室が配慮してくれて、私の代わりに常勤医を1名派遣してくれました。第二子出産時は、上の子の子育てもあり、約1年間の産休育休を取ることにしましたが、その時も2名の非常勤医師を派遣していただきました。
 産休育休といった長期休暇の場合、勤務先の上司同僚に迷惑がかかるために、出産を契機に退職したり、産後休暇のみ(産後8週)で復帰せざるを得ない女性医師が多い中、教室からの応援があったお陰で、希望通りの期間、育児に専念することができましたし、また問題なく元いた職場に復帰することもできました。
 一旦退職した場合、その後再就職を考えた時に、子供を抱えながらの就職活動はもちろん、その後子育てしながら新しい環境で一から始めるのも大変だと思います。育休後に、慣れ親しんだ職場に戻る場所があるということは幸せなことだと感じ、それをサポートしてくれた教室と職場の上司同僚に感謝しながら、現在は忙しい中にも、充実した日々を過ごしています。
 今、消化器内科の女性医師も増えていますし、これからも増え続けると思います。出産・育児など女性のライフイベントの中で、教室のサポートがあると、選択肢が増え、柔軟な対応が可能となります。現在厚生労働省や日本医師会などが女性医師の離職防止・復職支援を行っていますが、教室としても女性医師が働き続けられるようにサポートしてくれています。

女性医師の働き方について

 女性医師は、結婚・妊娠・出産などの人生のイベント(特に出産・育児)により働き方を見直す機会が必要になります。
 私は卒後研修2年間終了後、横浜市立大学肝胆膵消化器病学教室に入局しました。後期研修医として横浜労災病院に3年間勤務し、大学院に進学しました。後期研修後は、横浜市立大学病院に3年間勤務しました。大学病院勤務2年目のときに妊娠し、3年目のときに出産しました。そして、産後2か月で職場復帰しました。
 妊娠中は当直・オンコールを免除していただき、教授をはじめ教室員の先生方に体調など気にかけていただきました。職場復帰後、子供は院内保育所に預けました。横浜市立大学病院は院内保育が充実しており、不安なく子供を預けることができました。何かあれば院内PHSで連絡をもらうこともでき、昼休みに保育園を訪ねて子供と接することもできました。仕事は定時上がりし、日直・当直・オンコールは免除していただいたので、子供に負担をかけることなく働くことができました。
 大学院卒業後、教授より勤務形態の希望を聞いていただきました。健診業務などを希望される方もいますが、私は消化器内科医として働きたい旨を教授に伝えました。そして、現在の病院では、日直とオンコールをしておりますが、当直は免除していただいております。部長をはじめ上司・同僚の協力もあり、フルタイムでの勤務が継続できております。
 安心して妊娠・出産することができ、また子供がいても退職せず働くことができたのも、教授をはじめ教室員の先生方がサポートしてくれた結果だと実感しています。

2人目出産後の職場復帰について

 会社員の夫と共に保育園に通う2人の女の子の子育てをしております。

子供が小さく、よく熱を出しますが(特に保育園入りたての頃は2週間に1回以上!)保育園を休んだ子の面倒を誰が見るか問題にたびたび悩まされています。祖父母にほとんど頼れない状況なので、私か夫、無理ならシッターさんに頼む(かなり高額)ことになります。1人目の育休後は外来・病棟(当時は主治医制)・日直・オンコール業務のある常勤の消化器内科として復帰したため、休まざるを得ない時は他のスタッフに急なお願いをすることになり、心苦しい思いをすることが多かったのですが、2人目の育休後は臨床検査科医師として復帰させていただいたため、病棟フリーで時間外の仕事はなく、突然の子供の発熱でも休みをとりやすく非常に助かっています。

 現在、消化器をバリバリという働き方ではありませんが、別の部署で働くことで今までと違った勉強ができたり、他のスタッフとの繋がりができ、得られるものも多くあります。また、私の周りには子育てに理解のある上司が多いです。特に子育てをしながら復帰した先輩スタッフが身近にいてくださり、仕事においてもプライベートにおいても色々と助言をしてくださいます。非常に恵まれた環境で働かせていただいていると感じます。(女性医師、平成20年卒)

男性医師の育児休暇取得

 第1子が産まれる際に1カ月育休を取らせて頂きました。現在の職場では在籍5年目となりますが、育休に入る前の調整として、6・7月に当直と新患代診の回数を増やす代わりに、8・9月は免除して頂きました。
 しかし、実際には予定日が8月26日の中、8月9日に破水し、更に私自身が発熱、8月11日にコロナ陽性と判明するという波乱のスタートで、様々な意味で想定外過ぎて、仕事の調整含め育休に入るタイミングの難しさを実感しました。
 そして実際に育休に入ってみて思ったことは【育児マジ辛い、働いている方が楽!】でした。特にうちの場合はコロナ感染で出産後隔離となったためか、最初は乳首から上手く吸えずに搾乳→哺乳瓶で授乳の流れに。そうすると2時間くらいの授乳のサイクルの間にオムツ交換、哺乳+げっぷ、搾乳機の洗浄を行い、さらにあやす時間もあると気が付くと次のサイクルになって・・・を繰り返す形になっていました!できるだけ妻に休んでもらうために私が朝6時頃まで担当し、その後昼過ぎまで寝かせてもらって、また夜に交代するという流れにしていましたが、それでも本当に辛かったです。ですが、妻は3時間おきに授乳のために起きており、自分より辛いのは分かっていたため弱音も吐けず、正直最後の方は軽い育児ノイローゼになっていたと思います。
 個人的な感想ですが、世間で産後に夫婦の関係が悪くなることがあるのは、この特に辛い新生児期の育児を共有していないからなのではないかと思います。里帰り出産で辛さが分かっていない夫が、育児が少し楽になってきた頃に関わるようになって、それでも大変だなんて言われたら妻はイラっとして当たり前だと思います。今後の男性医師には是非とも「本当に大変だけれども育休を取って欲しい」と強く思います。一個人の意見ですが参考になれば幸いです。(2011年卒、男性医師)

3児の父として

 私生活では3児の父ですが、妻が当直ありフルタイムの整形外科医(だいぶペースダウンしてくれていますが)ということもあり、家事は基本分業ですが、当直・学会等でどちらがいなくても何とかなる程度には家事ができるようにしています。

 特に大変だったこととしては、今でこそ末っ子が保育園抗体を獲得して落ち着いてきたものの、子どもが小さいうちは特に発熱・体調不良を繰り返し、そのたびに保育園から連絡がかかってきて焦るのが辛かったです。そして職場が自宅から遠いため、保育園お迎え担当日は定時上がりからのダッシュでぎりぎりの毎日。正直、余裕がないのが実情です。

 それでもなんとかなっているのは、ひとえに前任地および現勤務地の部長および同世代・若手の先生方の協力があってこそ。自分が大変な時は他の先生に処置もお願いするし、他の先生が大変な時は外来でも処置でもフォローするようにしています。

 個人的に大事なことは「ここはできない」「その代わりここを頑張る」でメリハリをつけることかな、と。

 この記事を読んでいる育児で頑張っている先生も、これからの先生も、育児を楽しめるようにみんなで協力していきましょう!(平成21年卒、男性医師)